HSPは「いつもと違う」に気づきすぎる|挨拶・声のトーン・無口…小さな変化が気になる理由
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朝、職場でいつもの人に挨拶をする。
返事はあった。
無視されたわけでもない。
でも、なんとなく素っ気ない。
その瞬間、
「あれ?今日なんか違うな」
と気づいてしまう。
私には、こういうことがよくあります。
しかも厄介なのは、気づくだけでは終わらないことです。
ここまで行きます。
相手から何か言われたわけではありません。
ただ、「いつもと少し違った」だけ。
それなのに、その小さな違いが頭に残ってしまう。
これが私にとっての、HSPのしんどさの一つです。
気になるのは「不機嫌な人」より「いつもと違う人」
人の機嫌が悪ければ、誰だって多少は気になります。
ものすごく不機嫌そうな顔をしている人がいたら、HSPでなくても「機嫌悪そうやな」と思うでしょう。
だから私は、
「人の機嫌が気になる=HSP」
とは考えていません。
私自身の感覚で少し特徴的なのは、その人の普段との違いに反応しやすいことです。
たとえば、もともと無口な人が黙っていても、あまり気になりません。
普段から淡々とした話し方の人が「了解です」と言っても、特に何も思いません。
でも、いつもよく喋る人が、その日に限って妙に無口。
いつも明るく挨拶する人が、その日に限って少し声が低い。
いつもなら雑談を挟む人が、その日に限って必要なことしか話さない。
そういう時に、私のセンサーが反応します。
小さな違いに気づいた瞬間、原因探しが始まる
ここからが、たぶん一番疲れるところです。
「今日は無口だな」
だけで終われれば、それほど問題はありません。
でも、私の場合はその後に、
- 何か嫌なことがあった?
- 仕事でトラブルがあった?
- 体調が悪い?
- 誰かと揉めた?
- さっき自分が何か変なことを言った?
- 昨日のあの発言が気に障った?
と、色々な可能性を考え始めます。
そして気づけば、
相手の機嫌を分析していたはずなのに、自分の過去の言動を調査し始めている。
これが結構あります。
まるで、頭の中で勝手に捜査が始まる感じです。
私はたぶん、人の「絶対値」より「差分」を見ている
この感覚を整理していて、一番しっくりきた言葉があります。
それが、「差分」です。
人を見る時、
「この人は明るい人」
「この人は無口な人」
という固定した情報だけではなく、
「昨日までのこの人と、今日のこの人は何が違う?」
という見方をしている。
たとえば、
もちろん、本当に何かあったとは限りません。
単に眠かっただけかもしれない。
仕事に集中していただけかもしれない。
少し体調が悪かっただけかもしれない。
それでも、差が見えてしまう。
そして見えた差に意味を探してしまう。
私は、このセットが「気にしすぎる」の中身なんだと思っています。
声のトーンが少し変わっただけでも気になる
表情だけではありません。
声もかなり気になります。
いつもより少し低い。
返事までの間が長い。
普段より声に元気がない。
そんな小さな違いでも、
「あれ?」
と思うことがあります。
そして、
「今の自分の発言に反応した?」
と考える。
場合によっては、その直前に自分が何を言ったかまで思い返します。
これも、単純に声が大きい・小さいという話ではありません。
その人の普段の声をなんとなく覚えているから、違いが分かる。
そんな感覚です。
ため息一つにも意味を探してしまう
個人的にかなり気になるのが、ため息です。
近くにいる人が、
「はぁ……」
とため息をつく。
別にこちらを見たわけでもない。
何も言われていない。
でも、
「何のため息?」
と考えてしまう。
自分が何かした直後なら、さらに気になります。
「今の自分の行動に対するため息?」
「なんか迷惑だった?」
と。
冷静に考えれば、全然関係ない可能性の方が高いこともあります。
それでも一度気になってしまうと、頭の片隅に残ります。
場合によっては、その日の夜まで考えてしまう
こういう違和感は、その場だけで終わらないことがあります。
家に帰ってから、ふと思い出す。
「そういえば今日、あの人なんか素っ気なかったな」
そこからまた、
「朝のあの発言かな」
「昨日送ったメールかな」
と考え始める。
場合によっては、翌日になって相手が普通に戻っているのを見て、
「あ、別に自分のせいじゃなかったのか」
と安心することもあります。
逆に言えば、翌日の相手の態度を見るまで問題が頭の中で未解決のまま残っていることもあるわけです。
自分でも面倒だと思います。
でも、なかなか止まりません。
「相手の機嫌は相手の問題」で全部終わらせるのも違う気がする
こういう話になると、
「相手の機嫌は相手の問題」
「人の顔色なんて気にしなくていい」
という対処法もよくあります。
確かに、それで救われる場面もあります。
ただ、私は何でもそう割り切ればいいとは思っていません。
本当に自分の言い方が悪かったことだってある。
相手が何か困っていて、早めに気づいた方がいい時だってある。
仕事なら、顧客や同僚の小さな違和感を放置しない方がいい場面もあります。
だから、
「気づかないようにする」ことが正解ではない
と思っています。
問題は、気づいた直後に、
「自分のせいに違いない」
まで進んでしまうことです。
「違いに気づいた」と「理由が分かった」は別
ここを分けるだけでも、少し楽になります。
たとえば、
前者は観察。
後者は推測です。
もちろん推測が当たっていることもあります。
でも、当たっているかどうかはまだ分からない。
だから私は、
「今日は何か違う。理由は分からない」
くらいで一旦止めるのがちょうどいいと思っています。
全部に答えを出そうとすると、いくらでも考えられてしまうからです。
ただ、この「いつもとの差に気づく力」は結構すごい
ここまで読むと、ただ疲れる話に見えるかもしれません。
でも私は、この感度自体はかなり面白い能力だと思っています。
なぜなら、
「何かがおかしい」
に早く気づけるからです。
人間関係だけではありません。
- いつもと数字の動きが違う
- いつもより問い合わせが少ない
- 資料の雰囲気が何か変
- 顧客の反応が普段と違う
- 仕事の進み方に小さな違和感がある
こうした差に早く気づけるなら、それは仕事では異常検知になります。
私はHSPの強みを「優しい」「共感できる」だけで終わらせるのは、少しもったいないと思っています。
昨日までとの小さな違いを見つける。
これも、かなり立派な能力です。
同じセンサーが、不安にも武器にもなる
結局、やっていることは同じなんですよね。
違いに気づく。
ただ、その後が違う。
最初に使っているセンサーは同じです。
だから私は、HSPのこうした感度を単純に「弱点だから無くそう」とは思いません。
むしろ、
どこに向けるか。
どこまで考えるか。
自分の推測をどこまで信じるか。
そこを調整する方が大切だと思っています。
「気にしすぎる自分」より「気づきすぎる自分」と考えてみる
人の機嫌が気になる。
挨拶のトーンが気になる。
いつもより無口だと気になる。
ため息が気になる。
こういう自分を見て、
「また気にしすぎてる」
と思うことがあります。
実際、その後に考えすぎている部分はあると思います。
でも、その一歩手前では、
人より早く小さな変化に気づいている
とも考えられます。
そこまで全部否定する必要はない。
「気づいた」という事実は大切にする。
でも、
「だから自分が悪い」
までは勝手に決めない。
この距離感を持てるようになると、同じ感度でもかなり扱いやすくなると思っています。

